お坊さんのお仕事

臨済宗のお葬式の式次第を解説!お坊さんの役割や読むお経は?

僧堂を出てから、お坊さんとして本格的に活動するようになってから、一番緊張する仕事がお葬式です。

臨済宗のお坊さんは、修行中にお葬式のやり方について教わる機会がありません。

細かい式次第や、動き方、読むお経については、修行を終えて寺に戻ってから教わります。

とはいえ、本番はぶっつけに近いので、不安でいっぱい。

失敗が許されない場なので、本当なら何度もシミュレーションしておきたいところですが、なかなかそうもいきません。

僕は、形の決まった儀式で決まった動きを覚えるのが苦手だったので、特に心配でした。

 

でも、きちんと準備さえすれば、誰にでもやり通すことができます。

特別な能力は必要ありません。

 

臨済宗のお葬式の流れと合わせて、お坊さんとしてお葬式を遂行するためのポイントを解説していきます。

臨済宗のお坊さんの必須アイテム「江湖法式梵唄抄」

お寺の行事の完全マニュアル

お葬式の他にも、お寺にはさまざまな行事があります。

そんなとき役に立つのが、

江湖法式梵唄抄(ごうこほっしきぼんばいしょう)

です。

これは、お寺の行事全般についてのマニュアル本で、臨済宗のお坊さんの必須アイテムです。

この本に、式次第が書かれているので、それに従ってやるだけです。

 

とはいえ、地域によってやり方が少し違ったり、個々のお寺によっても違うことがあるので、微調整は必要です。

僧侶の役割分担

役配

お葬式に参列するお坊さんたちには、それぞれ役割があります。

この役割のことを「役配(やくはい)」といいます。

それぞれの役配について説明します。

導師(どうし)

お葬式をあげる家の菩提寺のお坊さんを、導師と呼びます。

言い方を変えると、自分のお寺の檀家さんのお葬式のときは、自分が導師になるということです。

つまり導師は、メインのお坊さんです。

導師は基本的に1人ですが、盛大にお葬式をする場合、3人の導師で行うこともあります。

 

導師は、死者に引導を渡すという重要な役割があります。

引導というのは、死者の迷いを断ち切って、正しい道に導くという意味です。

一般的にイメージするような、悪者をこらしめるという意味ではありません。

 

引導香語といって、漢詩を朗々と読み上げた後に、

喝!!!

と大きな声で叫びます。

この「喝!」で迷いを断ち切るのです。

この引導香語は漢詩なので、難しく思われるかもしれませんが、テンプレート集があるので、自分で漢詩を作る必要はありません。

故人に合う香語を探し、必要な部分を個人に合うように直すのです。

 

引導は、お葬式のクライマックスなので緊張は避けられませんが、「喝!」

こ声だけは委縮せず堂々と発しなければなりません。

それが故人に対する最大の敬意です。

 

維那(いのう)

維那は、導師の次に重要なポジションです。

全員でお経を読むときに出だしの合図を出す、

大鏧(だいけい)、引磬(いんきん)などの鳴らしものを担当する

などの役割があります。

式全体を統率し、引っ張っていくのが維那です。

 

役僧(やくそう)

簡単に言うと、その他おおぜいです。

役僧は、維那1人を含めて6人で行うのが正式です。

維那が出す合図に従って、声を合わせてお経を唱えます。

式の中盤で、引磬、太鼓、妙鉢(みょうはち)というシンバルのような鳴らしものに分かれて打ち鳴らしをします。

いわゆる「チン・ドン・ジャバン」です。

臨済宗のお葬式の式次第

臨済宗のお葬式は出家の儀式

臨済宗のお葬式は、出家の儀式です。

亡くなった方が出家し、あちらの世界で修行に励む門出の意味があります。

つまり、亡くなった方は皆お坊さんになっているということなんです!

 

出家の儀式として、

  1. 剃髪偈(ていはつげ)

剃髪とは、髪を剃ること。

カミソリを当てて頭を剃る仕草をします。

 

  1. 懺悔文(さんげもん)

生前の罪を懺悔するお経です。

 

  1. 三帰戒(さんきかい)

仏教の教えを守って修行に励みます!という誓いのお経です。

という3つのお経を唱えます。

 

引導と参列者の焼香

その後、

  • 大悲円満無礙神呪(だいひえんまんむげじんしゅ)
  • 十仏名(じゅうぶつみょう)
  • 舎利礼文(しゃりらいもん)
  • 開甘露門(かいかんろもん)
  • 観音経世尊偈(かんのんぎょうせそんげ)

などのお経を唱和します。

十仏名以外は、魚鱗(木魚)を叩きながら唱和します。

魚鱗は、基本的には新人和尚の役目になります。

 

役僧による「チン・ドン・ジャバン」の後に、引導が渡されます。

 

最後に観音経世尊偈を唱和します。

このときに参列者のお焼香が始まります。

お経を読んでいる間に全員お焼香が終わるように、お経のペースを調整するのが魚鱗の役目です。

参列者が多くて、どうしても焼香の方が長くなりそうな場合は、舎利礼文など、別のお経で繋ぎます!

まとめ

臨済宗のお葬式での、お坊さんの役割について解説しました。

 

臨済宗では、お坊さんのためのお寺行事マニュアル

「江湖法式梵唄抄」

があります。

必要なお寺の行事のことは、これに全て書いてあります。

 

お葬式でのお坊さんの仕事には、3つの役割分担があります。

  • 導師
  • 維那
  • 役僧

中でも導師は、菩提寺の和尚が行い、引導を渡すという最も重要な役目です。

引導は漢詩ですが、テンプレートがあるので、自分で漢詩を作れるほどの教養を持っていなくても大丈夫です。

 

臨済宗のお葬式は、

亡くなった方が出家をし、あちらの世界で仏道修行に励む門出

という意味合いがあります。

 

導師、維那、役僧それぞれの役配で、動きはすべて決まっていて、覚えることも多くありません。

お経を覚えていることの他には、特別な能力は必要ないので、必ず誰にでも行うことができます。

ただし、引導を渡す時の声、ひとつひとつの立ち居振る舞いなど、マニュアル化しきれないところがとても大事です。

特に引導の「喝!」には、個人に対する最大の敬意を込めます。

 

以上、最後までお読みくださりありがとうございました!

 

 

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