お坊さんの専門用語解説

臨済宗のお坊さんはどんなお経を覚えるの?お経の意味や種類も解説!

お坊さんといえば、思い浮かべるのが、お経を唱えることでしょう。

そもそも、あの呪文のようなラップのようなアレは、いったい何の意味があるのでしょうか?

お経はただの呪文でもラップでもありません。

お経には意味があります。

 

また、どのお経も同じに聞こえるかもしれませんが、

お経にはいろんな種類があります。

 

いろんな種類のお経の中で、

お坊さんになるためには、どんなお経を覚えなければならないのでしょうか。

僕は臨済宗のお坊さんなので、臨済宗で使われるお経を中心にご紹介します。

 

今回は、

  • お経にはどんな意味があるのか?
  • どんな種類があるのか?
  • お坊さんが覚えなければならないお経は何?

という素朴な疑問に、現役僧侶の僕がざっくりと答えていきます!

 

これを読んで、お経博士への第一歩を踏み出してください!

お経にはどんな意味があるのか?

お経の起源はインド

お経とは、「経典」のことです。

経典とは、仏教の教えを書き記した書物です。

 

仏教はインドで発祥しました。

開祖は、シッダルダという名の普通の人間です。

出家して悟りを開いてから、ブッダと呼ばれるようになりました。

ブッダは、悟りを開いてから80才で亡くなるまで、その難しい悟りの内容を、誰にでもわかるようにやさしく説いてまわりました。

ブッダが存命中は、その説法を記録して書物にまとめたりすることはありませんでした。

ブッダの死後、弟子たちが記憶を頼りにその教えを書物に起こしました。

これが経典です。

お経には何が書かれているのか

お経には、ブッダの説いた教えが書かれています。

その教えとは、

  1. 「すべての物事は変化し続けている」
  2. 「すべてのものは互いにつながり合って存在しているから、単独で成り立っているものは無い」

というものです。

この教えを、さまざまな表現を用いて経典の中に書き表しています。

1つ目の「全ての物事は変化し続けている」という考え方は、有名な

諸行無常

のことです。

多くの人は、今の自分の状態が永遠に続くように思い込みがちです。

しかし、どんなことも大なり小なり常に変わり続けていて、同じ状態であり続けることはありえません。

これは、考え方というよりは、文句のつけようのない真理です。

最近、人気YouTuberのマコなり社長が、「諸行無常」に言及していたので驚きました。

 

2つ目の「すべてのものは互いにつながり合って存在しているから、単独で成り立っているものは無い」というのは、

諸法無我

といいます。

孤立して存在する自分なんて無い、だから自分のエゴも幻みたいなもの。

そこから解放されれば楽に生きられますよ!という意味です。

 

みんな、様々なつながり・縁によって生かされている。

因縁生起

という言葉でも表されます。

 

いろんなたとえ話やエピソードを用いて、こういった教えを書き記したものがお経なのです。

お経にはどんな種類があるのか?

お経はどこの国の言葉なのか?

お経は、もともとはサンスクリット語というインドの言葉で書かれていました。

仏教は、インドから中国に伝わり、お坊さんたちによって経典は中国語に翻訳されました。

西遊記で有名な三蔵法師玄奘もその一人。

中国に伝わった仏教は、その後日本に輸入され、日本でも経典の研究がなされました。

なので、お経は本来、呪文のように唱えるものではなく、学問研究の対象だったのです。

 

いつしか、ありがたい教えが書いてあるものを声に出して読みあげるだけで、ありがたい功徳があるとか、書き写すことで災いがなくなると信じられるようになりました。

お坊さんが唱えるお経は何語なのか?

現在、日本でお坊さんが唱えるお経は、3種類に分けられます。

  • インドのサンスクリット語を音写したもの
  • 漢文で書かれているもの
  • 日本語で書かれているもの

サンスクリット語を音写したお経を「陀羅尼(だらに)」といいます。

サンスクリット語の発音に、むりやり漢字をあてたものです。

耳にしたことがあるかもしれませんが、

「ナムカラタンノー トラヤーヤー…」

で始まる「大悲円満無礙神呪(だいひえんもんぶかいじんしゅ)」というお経が有名です。

この「陀羅尼」は、意味がよくわからないものが多いです。

 

漢文で書かれたお経は、「般若心経」などが有名です。

こちらは漢文の白文になっているので、意味がわかります。

般若心経は、解説書も多く書かれています。

NHKの「100分de名著」でも般若心経を取り上げていたこともあります。

 

日本語で書かれたお経のことを、「和讃(わさん)」といいます。

日本に仏教が伝わってからできた和製のお経です。

大衆にわかりやすく布教できるように、七五調の覚えやすい語感で作られています。

日本語のお経って、意外と知られていないかもしれません。

一番意味がわかりやすいのは言うまでもありません!

臨済宗のお坊さんが覚えるべきお経は?

お葬式や法事で唱えるお経

仏教の経典は、ものすごくたくさんあります。

中には600巻に及ぶ大長編もあります。

お坊さんがお葬式や法事で唱えるお経は、その中のごく一部です。

 

以下、それぞれで使う主なお経をリストアップしました。

臨済宗で使うお経ですが、地域や個々のお寺によっても多少違いがあるのでご了承ください!

 

お葬式

「剃髪偈」

「懺悔文」

「三帰戒」

「大悲円満無礙神呪」

「開甘露門」

「観音経」

 

法事

「般若心経」

「消災妙吉祥神呪」

「観音経」

「大悲円満無礙神呪」

「白隠禅師坐禅和讃」

「菩提和讃」

「四弘誓願文」

などなど…。

 

お経と念仏の違い

お経というのは、もともと仏教の教えを書き記した書物のことでした。

念仏というのは、ブッダの名前を口に出して唱えることです。

念仏で代表的なのが、

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)

です。

「南無」とは、“○○を心のより所にします”という意味です。

「阿弥陀仏」は、ブッダを別の呼び方で表したものです。

つまり阿弥陀仏とはブッダのことです。

「南無阿弥陀仏」とは、“仏様をより所にして生きていきます”という意味です。

 

それと、「ナンミョーホーレンゲキョー」というのも有名ですね。

これは、正しくは「南無妙法蓮華経」です。

「妙法蓮華経」というタイトルの経典があります。

「法華経」ともいいます。

つまり、

“妙法蓮華経という経典を心のより所にします”

という意味ですね!

ちなみに「妙」とは、「深淵で美しい」というような意味です。

「絶妙」の「妙」です。

よく、音楽の美しい音色を、「妙(たえ)なる調べ」とかいいますよね。

「法」とは、仏教の教えのことです。

 

日蓮宗の開祖・日蓮上人が、

「仏教を正しく伝えているのは法華経だけ!法華経だけを勉強しよう!」

というスタンスだったことから、

「南無妙法蓮華経」

と唱えるようになりました。

ちなみにこれは、経典のタイトルを唱えるので、

お題目

といいます。

まとめ

今回は、仏教の基本なわりには、なんだかイマイチよくわからない、「お経」について解説しました。

経典に書かれている仏教の教えについては、基本的な事だけに絞って、かなり簡潔に書きました。

仏教経典の表現のしかたは、時代によって変わっていきますが、

  • 諸行無常
  • 諸法無我
  • 因縁生起

という基本的な考え方は、ほぼ共通しています。

 

お経は、仏教発祥の地であるインドの言葉で書かれていましたが、中国から日本へ伝わってくる過程で、

  • サンスクリット語の音写
  • 漢文
  • 日本語の和讃

のお経が生まれました。

 

数ある仏教経典の中の一部が、お葬式や法事のお経として読まれています。

 

自己啓発系の書籍やYouTube動画、哲学書の中にも、仏教の考え方と共通することを言っているものもよくあります。

 

お経には、よい生き方とはどんなことか、ということが書かれています。

自己啓発書と共通点が多いのは当然のことかもしれません。

時代が変わっても、人間の幸せとか不安の根っこのところは、たぶん同じだからです。

 

この記事を読んでちょっとでも興味がわいたなら、深遠なお経の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか?!

決して、抹香臭い、いかがわしいものではなく、古代の自己啓発書だと思ってください笑

 

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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